エントランスは様々な人が出入りするエリアですので、照明でその人たちにとって良い空間を作りだすことが大切です。エントランスの照明はどのようにするのが良いのでしょうか。本記事では、エントランス照明のポイントについて詳しく見ていきます。
エントランスにおける照明の役割
エントランスは、その建物に入る時の最初の場所です。ホテルや飲食店、企業などであれば、お客様にとってエントランスはいわば「顔」です。また、企業の従業員や住人からすると毎日出入りする場所でもあります。
こうしたことから、エントランスには安心感や清潔感が求められます。また、特に多くの人が行き来するホテルや商業施設などでは、動線が重ならない工夫も必要となります。これら実現することがエントランスの照明の基本となります。
エントランスの照明選びの基本
空間の目的に合わせて光色を選ぶ
昨今のLEDは、色温度によって違った光の色を演出します。病院や学校、銀行のような清潔感や安心感を求められる空間のためには、まず、高い色温度のLEDでエントランス全体に暗がりを作らずに一定以上の明るさを確保することです。たとえば、家屋の玄関から見て正面に壁がある場合、その壁が薄暗いと玄関全体が暗い印象を与えてしまうからです。
光が全体に行き届くように照明を設計しましょう。光源を天井や壁などに組み込んで建築構造と一体化させる「建築化照明」を使うと、空間全体に優しい光が広がりますので、暗がりを作らず、かつ柔らかい雰囲気を作ることができます。
また、個人宅のエントランスにはリラックスできる昼白色または電球色にするとよいでしょう。逆に、バーや、レストランや料亭などには、色温度が低い赤っぽい光を使用することで、光と陰でムードや高級感を演出するのに適しています。
エントランスの状態や作りに合わせた照明を選ぶ
特に大きな建物のエントランスは、時間帯によって多くの人の出入りが集中します。そこで、予測される動線に沿った照明を配置することでスムーズな行き来を実現します。
また、商業施設やホテルのエントランスでは、吹き抜けの高い天井やガラス張りの壁がある場合があります。こうした空間には外からの光が多く入ってきますので、日中の照明としては抑えにして、夜間に十分な照度を保つような仕組みを作ると、開放感のあるエリアとなり、電気代も抑えることができます。大きなマンションやショッピングモールでは、受付やインフォメーションのカウンターなどが設置されていることも多くありますので、全体を明るさはキープしつつ、照明で局所が目立つようにもできます。
一方で、エントランスの天井が低く、空間として狭い場合、照明によりそれを補うことができます。具体的には、壁に重点を置いて奥行きを強調するといった手法です。
アプローチの照明にも工夫をする
アプローチとは、道路や広場または門扉など敷地の入り口から玄関など出入り口へと導く 通路のことを指します。このアプローチもまた顔として、建物の第一印象を決めるエリアと言えますので、照明で演出することで建物が良いイメージとなります。
たとえば、外溝の部分を建物の質をスポットライトなどで演出し、空間や建物の印象をグレードアップします。ほかにも、床に埋め込み型のアッパーライトなどを使用すると演出性が高まると考えられます。
また、屋外の照明では、防湿や防雨の機能を持っている器具選びが重要となります。
さらに、屋外の照明では防犯や玄関扉までの誘導といった観点から、人感センサーや明るさのセンサー付き器具がより適しているといえます。センサー付き照明は省エネにもなります。
エントランスでよく使用される照明は?
エントランスでよく使用される照明には、シーリングライトやウォールライト(ブラケットライト)があります。
シーリングライト
シーリングライトは、天井に直接取り付ける照明です。照明器具自体の高さがあまりないため、天井があまり高くないエントランス空間に向いています。
ウォールライト(ブラケットライト)
ウォールライト(ブラケットライト)は、壁に取り付ける照明です。
エントランスの外側では外壁を使ってウォールライト(ブラケットライト)を取り付け、アプローチを演出します。
まとめ
エントランスの照明は、人の出入りに配慮し、安心感や動線を作る照明が望ましく、建物の状態や作りに沿った演出が可能です。また外側のアプローチでは良い印象を持たれるような演出や誘導、防犯などの工夫が必要となります。照明から良いエントランスを作りましょう。
コメント