照明器具の取付方法には、直付けと引っ掛けシーリングの2種類があります。
日本の住宅では引っ掛けシーリングが主流ですが、海外では引っ掛けシーリングという取付方法を採用していないため、照明の取付方法は直付けのみです。
照明を購入する時は、2つの照明の取付方法の違いを理解しておくことが重要です。
そこでこの記事では、直付けと引っ掛けシーリングとの違い、メリットとデメリットも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
引っ掛けシーリングとは?
引っ掛けシーリングとは、天井にある「引っ掛けシーリングプラグ(メス)」に照明側の引っ掛けシーリングプラグ(オス)を接続して取り付ける照明の取付方法ことです。
引っ掛けシーリングプラグは配線器具とも呼ばれており、照明器具に電気を供給する役割も持っています。この器具は、丸型引っ掛けシーリングや角型引っ掛けシーリング、引っ掛けローゼットなど形状が異なるいくつかの種類に分けられます。
引っ掛けシーリングのメリット、デメリットをみていきましょう。
引っ掛けシーリングのメリット
引っ掛けシーリングの最大のメリットは、照明器具を交換する際に、取り付けや取り外しが自分で簡単にできる点です。
天井に引っ掛けシーリングさえあれば、対応する照明器具を選び、その器具のプラグをカチッと差し込むだけで取り付け作業が完了します。
照明器具を設置するだけであれば電気工事の必要がないため、工事費用もかかりません。
引っ掛けシーリングのデメリット
引っ掛けシーリングのデメリットは、耐荷重が5kgと、大きな照明や、ガラスシェード、クリスタルパーツを使った重い照明が取り付けられない点です。また、最近SNSや海外サイトで見られるデザイン性の高い照明は、重量の部分ではクリアしても、引っ掛けシーリングプラグに加工できないこともあります。
ただ、左右にハンガーと呼ばれる金具が付いた引っ掛けローゼットの場合、耐荷重は10㎏となっているため、10kg未満までの引っ掛けシーリング対応の照明器具を取り付けることができます。
引っ掛けシーリングの一番のデメリットとすると、地震の際の落下の可能性が、直付けに比べると高くなるという事でしょうか。
地震時には、震度にもよりますが、引っ掛けシーリングプラグに照明の重量の3倍近い荷重がかかると言われています。そのため、プラスチック製の引っ掛けシーリングプラグが割れて落ちた、という事例をほんの数件ですが伺っています。
地震が不安という方には、直付けでの取付工事をお勧めします。
直付けとは?
直付けとは、海外では通常の照明の取付方法で、天井裏の「下地」と呼ばれる梁やコンパネにボルトを打って吊る方法と、配線が来ている天井の穴に「フランジ」と呼ばれる取付金具をねじ止めし、そこに照明器具を吊る取付方法を言います。
直付けでは引っ掛けシーリングプラグを外して、配線を照明器具に直接繋げる必要があります。
直付け照明のメリット、デメリットをみていきましょう。
直付け照明のメリット
直付け照明の最大のメリットは、照明器具の重量が制限されない点にあります。
引っ掛けシーリング照明は工事不要で取り付けられる分、照明器具の重量にも制限があります。海外の照明でデザイン性の高いもの、例えば、装飾の多いシャンデリアや大型照明などは比較的重量があるため、引っ掛けシーリングでは対応できないものがほとんどです。
しかし、直付けであればローゼットでも対応できない10㎏以上の照明器具でも取り付けできます。
さらに、直付け照明は引っ掛けシーリングが天井についていないため、外観上の凸凹がなく、インテリアに影響を与える心配もありません。
直付け照明のデメリット
直付けは「電源直結式」とも呼ばれるように、取り付け時に天井の配線と照明の配線を接続する作業が必要になります。
配線作業は電気工事の一種とみなされるため、電気工事士の資格を持った人でなければ行えません。万が一、無資格で電気工事を行った場合、「3万円以下の罰金、または3ヵ月以下の懲役」が科せられる可能性があります。
無資格での配線作業は感電や漏電による火災のリスクもあり大変危険な上、保険の対象外となります。したがって、直付けでの取り付けは、電気工事士の資格保有者や電気工事店に依頼する必要があります。照明の交換をすると、その都度工事費が発生するのが、直付けのデメリットといえるでしょう。
直付けであれば、豪華なデザインのシャンデリアも選択できます。こちらのシャンデリアは重量が約16㎏ですので、電源直結式での取り付け工事が必要です。引っ掛けシーリングでは、重量制限があるため照明の選択肢の範囲が狭いです。重量を問わず気に入った照明を選択できるのは直付けの特権といえます。
まとめ
今回は、直付けと引っ掛けシーリングとの違いを解説しました。
どちらの取付方法にもメリット、デメリットがありますが、基本的には取り付けたい照明器具に合わせる必要があります。
海外の照明のようにデザイン性を優先した照明は、大半が直付けであると考えた方が良いでしょう。直付けにはさまざまなメリットがありますが、取り付けには工事が必要ですので、電気工事店に依頼しなければなりません。
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